大人になってから、「あなたは必要以上に他人に優しすぎる」とたしなめられる機会がとんでもなく増えてきました。
こどもの頃はあんなに大人に口すっぱく「人に優しくしましょう」って教えられてきて、通信簿に書かれたら嬉しくて、だれからも褒められるようなことだったのにもかかわらず、です。
もしかして、実はみんな自分のことがいちばんかわいくて、自分のための人生を生きているのでしょうか?どうして?あれ?いつの間に?
なんか!!!!29年間生きてて初めてさっき気づいたんだけど!!!!
相手にあわせすぎるから、本来の自分と他のひとから見たイメージに誤解が大きいのか!?!?
ていうか、みんなだいたい自分のやりたいようにやってるから
あわせてることすら気づかれてない?????
なんてこった!!!!!!!— さとうひより🐑🌹🧹 (@hi4r1_xo) May 3, 2020
ところで、なにを隠そう、わたしは自他ともに認める面食いなんですが、ひとりだけみんなから「えっ?」とツッこまれてしまう好みの相手がいます。くりーむしちゅーの有田さんです。
わたし、目がギョロッとしてて、口のでかい男性が好きなんですよ。個人的には佐藤健と並ぶくらい「見てて笑顔になれる顔」なのに、なぜか理解してもらえません。
有田さんにとても失礼な書き出しで有田さんには恐縮ですが、今日はそんな有田さんの出ている番組を観ていて気づいたことをお話ししようと思います。
ある日、有田さんのお顔が観たくて動画を探していたら、彼の冠番組『有田哲平の夢なら醒めないで』のなかで「頭が良すぎてツライ!東大女子スペシャル」という回を見つけたんです。
日本人ならだれしもが、「東大」と聞けば「すごい!」だとか「優秀」なんてポジティブなイメージを持ちますよね。しかし実際のところは、なかなか周りにその卓越した考えが受け入れてもらえなかったり、男性から張り合われてしまったりする気苦労もたえないのだとか。
せっかく物事を論理的に突き詰めたり、客観的に捉えられるスペシャリストばかりなのに、正しいと思うことをすればするほど孤独で生きにくくなってしまうそうなんです。
なんだか、上手くいかないものですよね。
この番組では毎回、VOGUEの週間占いでも人気な「しいたけ先生」がゲストに向けてコメントをすることでエンディングを迎えます。
そして、なかでも特に生きづらさを抱える東大女子ゲストのひとり・山口真由さんにかけた言葉がとても印象的だったんです。
「あなたみたいな人は世の中にいなくてはならない人だと思いました。事実とか感情とかパワーとか行動とか結果とか社会とか、他の人のことを考えてくれてる人がいるおかげで暴動とかが起きず、平和に生活ができるから」
①他の人のことを考えられるのは、考えられる頭があるせい
わたしはしいたけ先生のこの言葉を聞いて、そういった「いつも他の人のことを考えてしまう人」が世の中に必要な理由がすこしわかった気がしました。
ひとつめは「考えられる頭があること」です。
番組の中で山口さんが「私がこれまでに磨いてきた論理学とかフェミニズムの背景とかっていらないの?」と嘆いたシーンがありました。
ここであらためて気づいたのは、自分の主観だけにとどまらず、まったく関係のない赤の他人のバックグラウンドや心情を理解できるのは、そもそもそれを考えるための知識や、考えられるだけの脳の筋肉を持っているからだということです。
たまに、「どうしてこの人にはいくら説明してもわかってもらえないのだろう?」と頭を抱えることはないでしょうか。
それはやはり、それが露呈するようなトラブルの際にかかわらず、ふだんからその人が相手の気持ちや行動の過程を想像しないまま過ごしているためなのでしょう。
逆に、「どうしてこの人にはすこしの言葉でこんなにわかってもらえるのだろう」という出逢いにも覚えがありませんか?
そんな人は、自分の経験を相手のシチュエーションに置き換える力や、自分が経験していないことでさえ想像をしてみるトレーニングをふだんから続けているのだと思います。
もしかしたら、相手の気持ちなんて考えられない人間のほうが、その人自身は得をしているのかもしれません。余計なことを考えず、楽に生きられるのかもしれません。
だけど、わたしたちはそれぞれがさまざまな価値観を持ち、事情を抱える社会の中で生きています。しかし、その全員が自分のことしか考えられない人だったら、いったいどうなるのでしょうか?
たくさんの人間がいる社会で、ひとりひとりの個性や違いについて考えてくれる人がちゃんといるから、お互いに争うことなく共生できるんです。
番組の中で続いたしいたけ先生の言葉を借ります。「そんな自分に誇りと自信を持ってください」。
②優しい人はぜったいに貴重
「他人に思いやりを持ちましょう」。だれもがこどもの頃に、そのようなことを道徳の時間に習ったかと思います。
でも、一度考えてみてください。それをわざわざ教えられるのって、みんなが当たり前にできることではないからじゃないでしょうか?
ついこの間までわたしも知らなかったんですが、みんながみんな他人を最優先に物事を考えているわけではないんです。あなたが目の前の相手の気持ちや都合を第一に想像しているその時、相手は自分のことをいちばんに考えているのかもしれない。これってびっくりですよね。
つまり、「優しくしよう」と意識しなくとも自然と相手を優先させられる人って、あんがい少数派なんです。そして、他人のことばかり考えてしまうのはきっと優しいからなんです。
いつも自分を差し置いて他の人にばかり優しくしてしまう人が世の中に必要なふたつめの理由は、そんな存在は貴重だからです。
宝石だってなんだって、数が少ないものは価値が高いとされていますよね?だから、もしもあなたが「自分には価値がある」と思うことができなくても、「希少価値がある」事実なら信じてみてもいいのではないでしょうか。
もうひとつ、番組の中で続いたしいたけ先生の言葉を借ります。「そんな自分に誇りと自信を持てたら、それを面白く伝えてみてください」。
優しい人は貴重です。でもその一方で、後回しにされたり、ぞんざいに扱われたような気がして寂しい想いをする機会もきっと多いでしょう。
だから、あなたが考えていることや大切にしていることを、面白くだれかに共有してみてほしいのです。そうやって、肯定される場所を増やしてみてほしいんです。あなたはもっと、認められてもいいはずだから。
③同じ「常に他人のことを考えてしまう優しい人」たちのため
わたしはこの、人のことばかり優先させて優しくしてしまう性格を、損だとは思っても変えたいとは考えていません。だってやっぱり、これが長年連れ添って、大好きな人たちと過ごしてきた自分だから。
それに、気づいてしまうことやできることをわざとやらないのってなんだか意地悪な気がして、その方が罪悪感があるじゃないですか。
だけどショックだったのは、もしかしたら「自分ばっかりそうなのかもしれない」とひとりきりのような気持ちになってしまったことです。
だから、有田さんの番組を観て、山口さんの孤独に共感して、しいたけ先生言葉を聞いた時に。もしかしたら、それをこうやって書いて共有することが同じような「常に他人のことを考えてしまう優しい人」のためになるのかもしれないと考えたんです。
嫌な想いをしたりして、もっとドライに、無関心に生きられたらなと思う日もあるけれど。わたしは今の自分を肯定して、認めてあげたい。
それが、世の中のどこかにきっといるはずの、数少ない仲間たちの勇気になるかもしれないから。そして、そんな気持ちを見つけてもらえたなら、それがわたしの勇気につながるから。
常に他者の視点で考える「相手軸」の人は、どうしても報われにくいし少数派かもしれない。だれよりもだれのことも味方できるのに、自分の味方はいないかもしれない。立ち返ってみればふと寂しいし、しんどいけど、やっぱり必要な存在だよね。だって社会だから。
そこに誇りを持って、認めてあげよう?— さとうひより🐑🌹🧹 (@hi4r1_xo) May 3, 2020